おかげさまで令和4年(2022)全国新酒鑑評会において金賞受賞いたしました。2年連続金賞受賞になります。全国新酒鑑評会は、独立行政法人酒類総合研究所と日本酒造組合中央会の共催になります。まさか2年連続金賞とは社員・蔵人共々喜んでおります。今年も弘前工業研究所の小倉先生の指導を受けまごころ込めて吟醸の醪(もろみ)に語りかけて金賞を受賞することができました。ありがとうございます。全国新酒鑑評会製造技術研究会に襟を正して参加させて頂きました。
令和4年(2022)全国新酒鑑評会の概要
令和4年全国新酒鑑評会ですが、令和3酒造年度に製造された清酒を全国から出品されそれを審査する鑑評会になります。全国規模で開催される受賞すると名誉がある賞になります。今年の出品点数は全部で826点になります。
予審は令和4年4月20日(水)~22日(金)までの3日間行われ405点が予審を通過しました。予審を通過した清酒は入賞酒となり成績が優秀と認められた出品酒ということです。
決審は令和4年5月12日(木)~13日(金)の2日間に渡り行われました。予審の酒405点から決審を行い、入賞酒の中でも特に成績が優秀と認められた出品酒が金賞酒となります。金賞酒の点数は205点になります。金賞酒の割合を計算すると上位24.8%ということになります。
令和4年全国新酒鑑評会出品酒の詳細
令和4年全国新酒鑑評会の鳴海醸造店の出品酒は、アルコール添加の大吟醸になります。銘柄は「稲村屋文四郎」で出品しております。近年純米大吟醸で勝負する蔵が多くなってきていますが、鳴海醸造店ではアルコール添加の日本酒になります。使用している米は、兵庫県産の「山田錦」になります。精米歩合は40%になります。鳴海醸造店では一環して40%の精米歩合どまりです。酵母は青森県の「まほろば吟」と「まほろば醇」のブレンドになります。昨年も同じブレンドでした。鳴海醸造店の水と酵母がマッチしているのですね。今年の山田錦は溶けやすいとの話を聞いていましたので対策をとり大吟醸仕込に挑みました。
青森県は金賞蔵10場を目標
青森県は金賞蔵10場を目標としていますが、今年の結果は入賞酒7点、内金賞酒4点という結果です。青森県は酒造メーカーが少ないのでなかなかこの大台には難しいですが、目標を高くかかげこれからも製造技術の向上を目指していきたいと思います。
鳴海醸造店の店舗前の画像
中町こみせ通りから鳴海醸造店の母屋を眺める。わっ鳴海醸造店だ。
鳴海醸造店の店舗前と私の画像です。受賞御礼、大吟醸稲村屋文四郎、令和4年全国新酒鑑評会金賞受賞、株式会社鳴海醸造店謹醸と書いてあります。写真の人は私、社長兼杜氏の鳴海です。ちょっと表情が硬いですね。
金賞受賞看板と菊乃井の看板を入れて写してみました。
金賞受賞の発表は令和4年5月25日(水)の10時に独立行政法人のHPで発表だったのですよ。今年はいつもより若干遅めでしたね。私的には20日頃発表かなと思っておりました。25日は9時30分頃来客があり、正午から青森県酒造組合で技術委員会が行われ15時から青醸会役員会が行われ、16時30分から青醸会総会、その流れで親睦会と非常にタイトな一日でした。私の会社から青森市までは約40分になります。本当はね、昨日ブログをアップしたかったのですが1日遅れですがご覧になって頂き感謝します。
金賞受賞酒、大吟醸稲村屋文四郎発売は?
金賞受賞酒の大吟醸稲村屋文四郎は、令和4年5月31日より販売されていました。お近くの小売店などで予約してから購入くださいね。金額が高いので常設している酒販店は少ないと思います。
大吟醸稲村屋文四郎令和4年金賞受賞酒になります。肩のところに「令和4年全国新酒鑑評会金賞受賞」のリボンのシールが貼られています。どんなシールだってお見せしましょう。
金賞受賞のリボンのシールになります。令和4年5月31日出荷分からシールが貼られています。製造年月が2022年3月以降の商品はシールが貼られていなくても金賞受賞酒になります。大吟醸稲村屋文四郎全体の姿が見てみたいですか?お見せしましょう。
大吟醸稲村屋文四郎の荷姿になります。外の箱を開けると桐箱入りになっております。ご贈答に大変喜ばれている商品になります。
金賞受賞大吟醸稲村屋文四郎の販売は?
鳴海醸造店のオンラインショップでは、都合により販売しておりません。「大吟醸稲村屋文四郎」などで検索してお調べください。また、黒石市の「さとふる」では商品を購入することが可能です。
全国新酒鑑評会製造技術研究会
令和4年全国新酒鑑評会製造技術研究会に令和4年6月2日(木)に行ってきました。製造技術研究会とは、いわゆる出品した日本酒のきき酒をする会になります。今回は新型コロナウイルス感染症対策として3回に分けて行われました。また、酒類製造関係者以外の入場はできませんでした。例年よりも並ばずにゆったりときき酒ができました。
全国新酒鑑評会製造技術研究会の場所は?
全国新酒鑑評会製造技術研究会の場所は、東広島運動公園(アクアパーク体育館)で行われました。東広島運動公園の住所は、広島県東広島市西条町田口67番地1になります。西条駅や東広島駅から無料シャトルバスが出ています。
全国新酒鑑評会製造技術研究会の会場東広島運動公園の入口になります。体温をはかって手指の消毒を行って入場します。入場券はあらかじめ買っておいた4,400円のチケットになります。以前は出品した蔵元に2枚づつ無料で送られてきましたがやむを得ないと思います。有料にすることで人数も制限されますし、きき酒がスムーズに行われるので私は良かったと思います。
全国新酒鑑評会製造技術研究会の会場の中の様子
全国新酒鑑評会製造技術研究会の会場の中の様子です。3回に分けての完全入れ替え制ですが、私は第二回6月2日の9:00~12:00に参加しました。青森県からは弘前工業研究所の先生や製造場の同志と参加しました。
全国新酒鑑評会製造技術研究会の備品
全国新酒鑑評会製造技術研究会のきき酒の備品になります。左側の紙コップは、きき酒をした後に酒を吐き捨てる容器になります。紙コップの中には、紙おむつなどに使用されるものが入っていてその粉が液体を固めてくれるとのことでした。右側の紺色のものは紙コップを入れるケースになります。首から掛けて使用します。写真にはありませんがこの他に丈夫なプラスチックのきき酒用のコップが渡されました。
大吟醸稲村屋文四郎金賞受賞
大吟醸稲村屋文四郎金賞受賞の画像です。きき酒しながら写真を撮るのは少々緊張しました。あとに人が待っていますからね。1回目のきき酒をした後に2回目もきき酒をして味を嚙みしめましたよ。
令和4年全国新酒鑑評会の記念写真
令和4年全国新酒鑑評会金賞受賞の記念写真になります。やりました。ガッツポーズです。ついでにもう一枚どうぞ。
令和4年全国新酒鑑評会金賞受賞記念写真になります。弘前工業研究所の小倉先生に撮影して頂きました。今回の受賞は小倉先生にも大変お世話になり共に喜びを嚙みしめさせて頂きました。来年もこの場所でブイサインで撮影できるように頑張りますね。
大吟醸稲村屋文四郎出品酒の香味
大吟醸稲村屋文四郎出品酒は、出品酒点数826点中205点の中に入りました。
香りの特徴、予審において審査委員2名以上が指摘した数では、果実様(リンゴ)カプロン酸エチルを指摘した人が6名いました。
味の特徴、予審において審査委員2名以上が指摘した数では、まるい・なめらかが2名、甘味が4名、酸味が2名、渋味が2名です。甘味・酸味・渋味は味の特徴として良い面で捉えています。ちなみに強く感じると不調和になり評価はマイナスになります。
予審では審査員12名中、すばらしいが5名・良好が3名・どちらでもないが4名でやや難点や難点ありは0名でした。入賞基準店2.62に対して1.95との成績でした。
決審では審査員20名中、特に良好(1)が9名、良好(2)が6名、1.2.以外(3)は5名で金賞基準点195に対して1.80との結果でした。
出品酒の香味は、香りの良さ62点・華やか63点・味の良さ65点・濃い60点・あと味のきれ54点と50点が全体の平均なのですがバランスがよく良い点数をとっています。
大吟醸稲村屋文四郎出品酒の成分分析値
大吟醸稲村屋文四郎出品酒の香気成分は、酢酸エチル(mg/L)は平均47に対して43です。酢酸イソアミル(mg/L)は平均1.8に対して1.7です。
イソアミルアルコール(mg/L)は平均109に対して84です。イソアミルアルコールは少ない方が良いとされていますがよく出来ていました。
E/A比は、平均1.7に対して2.0です。E/A比とは、酢酸イソアミルをイソアミルアルコールで割って100を掛けた数値になります。
カプロン酸エチル(mg/L)は平均7.4に対して8.2になります。華やかなタイプになります。グルコース(g/100ml)は平均2.7に対して3.3です。甘めになります。
香りが高いタイプはグルコースも高くないとダメと言いますがこちらも良く出来ました。
令和4年全国新酒鑑評会金賞受賞の総括
最後までお付き合い頂きありがとうございます。皆様方からたくさんのお祝いのメッセージを頂き感謝しております。日々技術向上を目指して青森県酒造組合技術委員会が運営する行事や青森県杜氏会の情報交換などまた、青森県産新酒鑑評会や青森県清酒鑑評会では仙台国税局鑑定官の諸先生や他県の技術センターの先生方が鑑評会の審査をして頂いております。情報を共有することで酒造技術の向上がなされ強いては市販の清酒にもよい影響が出てきております。日本酒業界は厳しい中ではありますが明るい兆しを目指して精進して参りたいと思います。
創業文化三年、津軽の風土が醸した希少な美酒の数々を。
青森の地酒 菊乃井 稲村屋文四郎 稲村屋
株式会社鳴海醸造店
杜氏兼社長 鳴海信宏
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