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大吟醸稲村屋文四郎 魅力

大吟醸稲村屋文四郎は文字が長ーいので愛称名は「文四郎(ぶんしろう)」当社では「稲村屋」というブランドもあるのでここは区分けして「文四郎」=「稲村屋文四郎」大吟醸 稲村屋文四郎の魅力について語らせていただきます。発売したのが平成の一桁代後半だったと思います。前置きとして発売するまでの経緯を書かせて頂いておりますが、必要なければページで検索頂きごらんいただければと思います。

大吟醸稲村屋文四郎、発売までの数年間の経緯

私が会社に入社したのが平成5年の4月、当時は普通酒が8割で残りが純米酒などでした。普通酒とは、昔の1級酒・2級酒のことを意味して現在では上撰・佳撰(精撰)などとして販売しています。一般的に原材料名が米・米麹の他に醸造アルコール・糖類・酸味料が含まれています。当時はラベルの中央に「純」とあって菊乃井のブランドが申し訳ない程度に書かれていました。純米酒は当時「こみせ」と「繫盛ボトル」(ねぷたの絵)が描かれているラベルが日本地酒共同組合で作成された特殊瓶(4面が平面の瓶)に詰められて販売されていました。青森県酒造組合の行事で東京銀座で日本酒の試飲販売があり、親父の代理で出席したのを今でも覚えています。酒造組合のメンバーの日本酒がリーチインに飾られていて来たお客様に試飲して気に入ったら購入してもらうという形でした。当時の私は商品に対して違和感があったので自分の商品を販売できずに他の商品ばかりを販売していました。先輩がそれを見かけて折角出張してきているのだから遠慮なく自分の商品を売っていきなよ!という言葉でした。しかし日本酒の味を他社と比べると落ち込み。自分で飲んでも渋みや苦みなどの雑味のある酒また熟成が過ぎて老いた酒は到底お客様に勧められるものではなかったのです。また他社のラベルのネーミング・デザイン・パッケージ・価格設定など商品魅力があるものが売れるのだと今思えば大変よい勉強をさせて頂いたのだと思います。パッケージが良くてお客様が購入されても日本酒自体が美味しくなかったら非常に残念なとこになります。私は初年度の冬から酒蔵に入り少しずつではありますが、酒造りの現状を把握させていただきました。

蔵に入る

鳴海醸造店は11月中旬頃から蔵人が入り蔵の殺菌、道具の洗浄殺菌が始まります。当時は今から比べるとタンクで約40本を製造していたので今と比べると倍以上になります。今現在は特定名称酒の割合が多いのでその分手間暇はかかりますが!蔵に入り数年間、前々杜氏(佐々木杜氏)に約2年のもと勉強になりました。その後当時頭(かしら)だった須藤さんが杜氏として承認されました。入社してから青森県の鑑評会のお手伝いを青醸会役員として遂行してきました。当社の日本酒は下から数えて1、2番を争う展開でした。どうにかしてこの環境を変えようといろいろ考えました。昔からの大吟醸の搾りは普通の日本酒を搾るのと一緒の薮田の搾り機械で搾って出品をしていました。須藤当社の元、折角高い米を精米して作り上げるものなので手間暇はかかるが袋で吊り上げてできないかと相談しました。何度か衝突があったもののもめんの袋で作業ができる環境ができました。その後、仙台国税局の当時の鑑定官の先生から指導を受ける機会があり先生の指導の元吟醸造りに対して情熱をもって挑みました。南部杜氏講習会や県で開催する酒造講習会など積極的に参加しました。また、技術者との交流の話の中でヒントを得ました。

青森県初の金賞

鳴海醸造店はしばらくの間、青森県でも金賞の受賞はありませんでした。技術研鑽と須藤杜氏とのタイアップで平成7年春頃に初めて金賞を受賞しました。また、秋には東北の清酒鑑評会でも優等賞を受賞するという名誉を頂くと共に自信をもって吟醸造りができるようになりました。

大吟醸稲村屋文四郎の誕生

私が帰ってから平成7年からは新しい商品がどんどん誕生しました。当時流行りだった生貯蔵酒300mlも発売したり、大吟醸や純米吟醸などの新たな種類の商品が誕生したのでした。それと共に死活商品は廃止する決断をしていきました。その中でも昔からある資材を有効的に処理して行き不良在庫の削減にも努めてきました。私の父の友人が蔵にある秘蔵酒はないか?との話が文四郎の誕生の秘話なのです。タンク貯蔵の大吟醸原酒を蔵出しして会合で飲んでみる機会がありました。そこに参加の皆様が一様においしい日本酒だ!ぜひ発売して欲しいとの話でした。親父の名前が「文四郎」なので「鳴海文四郎」のネーミングはどうだ!との話でしたが親父は照れくさいから「稲村屋文四郎」にするとのことで決定しました。当時は1.8Lで税込8,000円 720mlで税込4,500円だったと記憶しています。ごめんなさい720mlの方が定かではないのですよ。当時から桐箱入りで青森県でのコンスタントな金賞受賞の効果も得まして少しずつではありますが脚光を浴びる環境になってきました。

平成13年春、初の全国金賞

平成13年春の全国新酒鑑評会において鳴海醸造店では初めて金賞受賞をいたしました。蔵人も全国の金賞を望んで「酒造りはみんなの心一人」を合言葉に協力して作り上げたものの名誉になります。私も受賞の知らせを聞いた時には飛び上がって喜んだ記憶が今でも鮮明に覚えています。全くのどん底の酒蔵が目標をもって目指す時には願いが叶うのだと痛感したものです。この年に金賞記念として限定発売したのが大吟醸稲村屋文四郎300mlです。今では好評につき継続して発売しております。1.8Lと720mlは、和紙の紙を使用して頭紙も豪華で、しかも桐の箱に入っているのです。贈答用としか思われない。

平成18年秋、初の県知事賞

平成18年の秋の青森県産清酒鑑評会においては鳴海醸造店では初めての吟醸の部において県知事賞受賞を致しました。県知事賞とは決審に残った中で念審を行い、第1位を決めるとのことです。まさか まさか の出来事だったように記憶しています。小さい蔵元でも努力すれば願いが叶うを再認識しました。有難いことに平成18年を始めとして平成22年・平成27年・令和元年と通算で吟醸の部は4回も受賞することが叶いました。誠に有難いことに県内の酒販店様もこの様子をしっかりと把握していてくださることで大吟醸稲村屋文四郎の価値も次第と信頼を受けて安心して贈答品に利用できる。飲んで美味しいし、贈られて喜ばれる日本酒として成長を遂げていきました。平成27年秋には吟醸の部・純米の部・吟醸の部(県産米)の部において4冠中3冠という名誉も頂きました。あまり自慢ばかりしているとダメなので初心に帰って、その時代に沿った大吟醸造りをこれからも研鑽を重ねて蔵人の協力のもと精進して参りたいと思います。

大吟醸稲村屋文四郎こそ現在の原点

文四郎という日本酒の芸術を求めて金賞を受賞するということは一つの目的に過ぎない。しかしその技術を習得するということは他の日本酒も手間暇かけるとそれに近づいていけるということです。また、蔵人のメンタルな部分でも非常に大切だと思います。モチベーションを保つ部分においても美味しいものを素直な気持ちで受け入れるのは何よりの栄養剤だと思っております。誰でも褒められる嫌な人はいないですからね。

大吟醸稲村屋文四郎全体写真を見てみましょう。

大吟醸稲村屋文四郎1.8L・720ml

大吟醸文四郎のパッケージを見てみましょう!桐箱に入っています。その後紙の箱に入っています。貰った人の笑顔が想像できます(^_-)-☆

大吟醸稲村屋文四郎ラベルのアップ

表ラベルのアップ

こちらは、1.8Lの表ラベルのアップです。紙は和紙を使用しています。なので糊を付けて全て手で貼る作業をしています。よく見えますかね和紙のサバサバ感!手でちぎっている和紙になります。稲村屋文四郎の文字はスミの箔押しになります。文字は黒石商工会議所の三上昌一様に書いて貰ったもになります。大吟醸の文字もそうです。しっかりとした安定した文字です。

大吟醸稲村屋文四郎、頭紙は!

頭の部分をピックアップ

頭紙は、赤色の紙で包まれています。白い紐は江戸紐になります。結構手間暇がかかりスピード作業には熟練の技が必要になります。ちなみに私は、結びが下手で縦結びなんかをよくやってしまいます。

大吟醸稲村屋文四郎、桐箱の中身は

桐箱の中身の様子

1.8Lの瓶を取ってみるとそこは、黄金色に輝く金の絨毯のような感じです。煌びやか 素敵 ゴージャス、正しく、最高の日本酒に適したパッケージです。桐箱の蓋も印刷によって描かれています。

大吟醸稲村屋文四郎、ご贈答・お祝品に

ご贈答に大変喜ばれています。勝手にキャッチフレーズをつけるとしたら贈られた人の笑顔が見たくて思わず奮発してしまいました。地元新聞紙の広告では静かなブームになっています。贈った人に喜んでいただけるお酒、うん、なんかしっくりときますね。ハレの日に飲んで欲しい日本酒、嬉しい時・悲しい時 人生いろいろですから色んな苦難がありますよね。嬉しい時・記念日・親友と和気あいあい・大好きあの子と・そんなハレの日に飲んで頂けたら、造り手も万々歳です。

大吟醸稲村屋文四郎、詳しい成分は?

最新の日本酒の成分が表示されています。ご確認ください。

稲村屋文四郎 https://narumijozoten.com/bunshiro/

さいごに

平成13年の初めて金賞受賞受賞した時の新聞の紙面が出てきました。明治時代から始まり今回で第89回になる全国新酒鑑評会には全国から1313点が出品され、香りと味のバランスの他、蒸し米の調整・麹造り・もろみの発酵管理など製造に至るまで最新の注意がされているが厳しい審査の中で上位308点に選ばれました。そこには「達成感満ちあふれる」「地元蔵人の丹精実る」の文字が鳴海醸造店に40年以上勤める蔵人の須藤杜氏は「蔵人たちのチームワークがなければ、良い酒は生まれない。今回の受賞は皆さんのおかげだと思う」と言葉少なげに語ったと示されています。佐々木杜氏が引退されたのちに頭の須藤杜氏と私でタイアップして良質の吟醸酒を醸し出すことが叶いました。その須藤杜氏も平成19年還暦と共に病気を患ってご逝去されまして大変残念な結果となりましたが、今となっては苦労した思い出が蘇ってきます。平成19酒造年度から私も社員代表の杜氏として現在に至っていますが、本当に初心に戻って頑張っていきたいと思っております。

【姉妹品】

純米大吟醸稲村屋文四郎 魅力 

 

2021(令3) 全国新酒鑑評会金賞受賞 大吟醸稲村屋文四郎

 

創業文化三年、津軽の風土が醸した希少な美酒の数々を。

青森の地酒 菊乃井 稲村屋文四郎 稲村屋

株式会社鳴海醸造店

杜氏兼社長 鳴海信宏

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