日本酒の酒かすは、もろみを搾った時にでる副産物です。日本酒を造る時に麹(こうじ)
を使用しますが、麹の酵素がいろいろな各種の必須アミノ酸を生成します。これらのアミノ酸は他の食べ物ではなかなか摂取するにむずかしいとされています。今回冊子を引用さてていただき酒かすをご紹介させて頂きます。
酒粕に秘められた驚きの健康効果!
NHK(ためしてガッテン)2010年11月24日放送「日本伝統あの発酵食で驚きコレステ減効果!」より日本酒造組合中央会が監修した冊子から抜粋させていただいております。
ためしてガッテン http://www9.nhk.or.jp/gatten/
日本酒造組合中央会 https://www.japansake.or.jp/
酒粕はあまり手にされることのなかった食材ですが、実は栄養やうまみがたっぷり含んでいるのです。さらに、驚きの健康効果を発揮する「酒粕」の魅力を徹底解説します。「酒粕」は、日本酒のもととなる「もろみ」を搾った時に残る”かす”でも単なる日本酒の副産物だと思ったら大間違いです。酒粕は、いわゆる悪玉のLDLコレステロール値を下げてくれたり、お通じを改善してくれるパワーを秘めていることが判明。さらに、ビタミンB群やアミノ酸など栄養やうまみの宝庫でもあったのです。決して”かす”ではない、黒石市の高樋市長の言葉を借りれば「酒のカス」ではなく「酒の宝」と言っています。酒粕の魅力と、料理人たちの技に学び、おいしくいただくための調理の仕方ををご紹介いたします。
LDLコレストロールを大幅に下げる効果
NHK(ためしてガッテン)の番組が訪れたのは、とある酒蔵。ここでの研究により酒粕に含まれる成分に、さまざまな健康効果があることが証明されました。番組では、酒粕の成分を抽出しT粉末のものを使用。日頃酒かすを食べていないモニター12名に集まってもらい実験。全員に一日あたり50gの酒かすを水で溶いて、甘酒状にしたものを飲んでもらいました。こうして飲み続けること3週間。皆さんの健康状態をチェックしてみたところ、悪玉といわれるLDLコレステロールの値が12人中11人が下がっていたことが判明。しかも、データをよく見ると高めの人ほど、しっかり下がっていたことが確認されました。一般的に、LDLコレステロールの値が120mg/dlを超えると健康指導を、さらに140を超えると診療を受けるようにアドバイスされます。平均すると8.2も値が下がっていたという、驚くべき結果が得られました。
注)体質によってはLDLコレステロールが高くなったり、便秘や軟便になる場合もあるのでこのような場合は摂取をお止めください。
酒粕は健康のパワーの源
健康のパワーの源はレジスタントプロテイン
では、酒かすのどのような成分がこうした健康パワーをもたらしてくれるのでしょうか?それは、原料であるお米に含まれる「レジスタントプロテイン」という物質です。日本語にすると、消化されにくいたんぱく質という意味があります。その最大の特徴は、油をがっちりと捕まえることです。番組が行った実験では、ラー油の入った2つのビーカーを用意。一方にはレジスタントプロテインを、もう一方には油を吸着すると言われている食物繊維の代表として、セルロースを入れました。それぞれ油と混ぜ合わせた後、水を注いでかき混ぜてみると、セルロースは油と分離しました。一方、レジスタントプロテインを入れたビーカーでは油をしっかりと捕まえている様子が確認できました。酒かすを食べると、消化されにくいレジスタントプロテインはそのまま小腸へと達します。ここで、食品の脂肪や食べた油をがっちりと捕まえて、そのまま消化吸収されることなく体の外へ外へと運んでくれます。LDLコレステロールの値が低下したのは、そのためです。さらに、便に含まれる脂肪が増えることによって柔らかい、出やすい便となってお通じが改善すると考えられています。
酒粕の健康効果
優れた健康効果は酒かすだからこそ
もちろん、レジスタントプロテインは酒かすの原料となる米にも含まれています。ではどうして、酒かすにこれほどの健康パワーがあるのでしょうか?じつは、レジスタントプロテインがその実力が発揮できたのは、酒かすになったからです。米から日本酒を造るとき、活躍するのが麹(こうじ)と酵母です。これらは、米に含まれるでんぷんやたんぱく質を分解し、アルコールやうまみ成分のアミノ酸を作り出してくれます。しかし、消化されにくい特性を持つレジスタントプロテインは、他の成分が次々と分解されていっても、いつまでも酒かすの中に残りつづけます。つまり、レジスタントプロテインをむき出しにすることで油とくっつきやすくし、なおかつ凝縮したものが酒かすなのです。さらに、酒かすには酵母もたっぷり含まれるのでビタミンB ₂は米の26倍、B₆は47倍。またうまみ成分であるアミノ酸は583倍にも激増しています。
青森県にお越しの際は鳴海醸造店にもお越しください。
酒粕を使用してのアレンジ
酒かすをチーズ風に味付けして活用
しかし、いざ酒かすを食べるとなると、独特の発酵臭、アルコール臭から敬遠する人も多いです。とある酒蔵の酒かす名人から調理の方程式を聞き出しました。その方程式は「酒かす+油+塩+チーズ」。チーズにあって酒かすにないものを足すことで、まったく違う味わいにする作戦です。街頭で、こうして作った酒かすクラッカーを試食してもらったところ、ほぼ全員が「チーズの味がする」と答えました。じつは、酒かすとチーズは同じ発酵食品なので香り成分に共通のものがあります。そのため、ちょっとした工夫で酒かすをほかの発酵食品に変化させることができるのです。
酒粕の種類は板粕と押粕です。
酒かすにはどんな種類がありますか?
大きく分けると2種類あります。冬季、新酒の時期に出回るしぼりたての酒かす(菊乃井では”板粕”)とそれを圧縮して空気を抜き、夏まで熟成させた踏み込み粕・練り粕(菊乃井では”押粕”)と呼ばれる酒かすです。
酒粕の販売
株式会社鳴海醸造店では、板粕は1月下旬頃から3月下旬頃まで押粕(漬物用)は年間を通して販売しています。https://furusatobin.jp/kikunoi/index.html
押粕の上手な使い方
- 魚・肉の粕づけ
イカ・タラ(白身魚)など塩分の無いものには粕に塩を入れたものにイカの身・足などを入れて翌日焼いて食べるとおいしいです。塩(醤油)づけした魚(筋子・紅鮭)を1日から2日おいて粕に入れて食べてもおいしいです。豚肉に粕と醤油を混ぜたものを付けて皿に入れ、蒸し器で15分から20分くらい蒸すとおいしいです。 - 野菜の粕づけ
・塩漬けにした野菜(きゅうり・ナス・ダイコンなど)を少し塩味が残るくらいに、きだし(水に漬ける)してそれを直接粕に漬け込みます。 - 即席漬
キャベツや白菜など刻んだものに、塩と粕一つまみ入れて、掻き混ぜ1日から2日程で食べられます。 - ・キャベツやきゅうりなど細かく刻んで塩もみして粕と一味唐辛子など入れて、掻き混ぜ、お好みで砂糖を少々加えてもおいしいです。
- ・汁もの 味噌汁や鍋の隠し味にスプーンでお好み量を入れてお召し上がり下さい。
- 菊乃井吟醸押粕でピザを作ったりデザートを作って頂き食べた経験はあります。とっても美味しくいただきました。レシピを聞く機会がありましたらご紹介したいと思います。
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