『菊乃井純米吟醸初しぼり生原酒中汲み久〇』について。久〇と書いて(きゅうまる)と読みます。久〇とは、屋号です。〇久(まるきゅう)から分家してきたのが、今から約214年前になります。本家〇久の三女が金屋(現平川市)からお婿さんをもらい準備期間を経て創業したのが始まりと聞きます。文四郎を代々襲名して現在の私が七代目。私が子供の時は、タクシーを呼ぶのも電話をして「きゅうまる」までタクシー1台でタクシーが送迎に来ていました。凄くないですか?それだけ地元に馴染まれた屋号なのです。ちなみに「稲村屋」とは商号です。
久〇の始まり
「久〇」は元々有限会社アプレットとの協同開発で提案されていた商品です。アプレットと弊社株式会社鳴海醸造店でしか販売されていないお酒。お客様はここでしか販売していないとなると購入欲がわくようです。しぼりたての無濾過生原酒は香りも良く・味もまろやかなので時間を経て噂が広まり人気がでた商品になります。冬から春にかけての商品でなくなり次第終了になります。夏・秋問わず「きゅうまる」ないんだが(津軽弁)。申し訳ございません。季節限定商品になります。来年の2月か3月の発売になります。という会話が結構繰り広げられています。今は稲村屋特約店で冷蔵庫に入れて販売しております。見かけましたら、手に取ってご購入をお願い申し上げます。
中汲みとは?
中汲みとは、搾る際にあらばしり⇒中汲み⇒責めとありますが、空気圧がかけられずに垂れてくる部分です。一番味が濃くおいしい部分です。昔は木綿の布にお酒のもろみを入れて上から重石をのせて搾っていました。布から最初に吹き出て来るのが「あらばしり」です。酒販店に冬期間行くとこの名前がついた日本酒もたくさん見られます。布がもろみで丁度よく目詰まりして垂れてくるのが「中汲み」とか「中垂れ」といいます。布もこなれてじわりじわりと垂れてくるところですね。ブログを書きながらよだれが出てきそうです。責めは、布が目詰まりして無理矢理押し込んだところですかね!あまり責め過ぎると雑味がでる恐れがあります。やさしく、ゆっくりと、もろみも生きものですから。
久〇、飲んでみた感想
吟醸の香りがほのかでやさしい印象口に含むと甘みがありスッと体に吸収される感じ。
よく噛まなくてもよい高級な肉がありますが、飲まなくても体で吸収されるようなイメージです。弊社のお酒はボディ感が感じられるお酒が多いと思います。旨み・やさしさの中にも存在を主張する。うまく表現はできませんがお勧めの商品です。造り手の私でも毎年この時期が楽しみです。売れるのは嬉しいが、我が子を嫁にだすような感じです。
久〇、お薦めのつまみ
シーフードのマリネなど合いそうです。白身魚の刺身なども良いと思います。お酒自体精米歩合50%まで磨いていますのであっさりとした食材に合うと思います。また、クリームタイプのパスタとも合わせてみたいイメージです。別意見では、『つまみなんか要らないよ』とでも言いたいです。お酒自体が完成されている(誇張な表現)食後にまったりデザート感覚で飲むのも良いと思います。
久〇、お薦めの飲み方
やはり冷やして飲むのが一番良いと思います。10℃~15℃(常温)です。それ以上冷やしても美味しく飲めますが、お酒の味を味わいたいなら上記がお勧めです。もちろん、ぬる燗でもバイタリティーがあって楽しめると思います。開栓した時と2~3日経ってからまた飲むと旨みが増す場合があります。生酒特有ですね。ただし、冷蔵庫または低温で貯蔵してください。
久〇、1.8L生酒の管理の仕方
1.8L(10合)の瓶は720ml(4合)に比べて割安です。冬場の寒い時期はストーブのついていない涼しい場所に置くのがベスト。日光そして出来れば蛍光灯の光もあたらないのが良いです。1.8Lの瓶が冷蔵庫に入るのは難しい!そこで空いた720mlなどの小瓶の空瓶を水ですすぎ入れれば冷蔵庫にも入ります。無い場合はペットボトルでも良いと思います。この時の注意はなるべくなら空間が少ないのが良いと思います。ワインと同じで日本酒も酸化するのでご注意ください。新酒を飲んでちょっと荒いと感じたら逆に空気と接触させて飲むと美味しくなる場合もあります。
久〇の使用米は?
今年は青森県酒造好適米の「華想い」ですが、例年変動する可能性があります。基本は青森県酒造好適米の「華吹雪」です。米の注文はその造りが始まる前に来年度を注文しなければなりません。酒造好適米なので造り酒屋しか使う用途がないからです( ;∀;)米が不作だと目的のお酒が出来ない場合もありますし、販売数量を予測しての発注は非常に難しいです。
久〇はどこで購入できるの?
稲村屋特約店で2月頃から限定で販売しております。1月下旬頃に予約して置くのがよろしいかと思います。鳴海醸造店も喜びます。
鳴海醸造店オンラインショップ https://furusatobin.jp/kikunoi/
最後に一言
毎年2月~3月頃の時期の限定品です。一度御賞味ください。その土地でしか飲めないお酒がいろいろとありますが、青森県の酒造好適米・青森県の酵母・南八甲田山の伏流水を用いて津軽の風土で醸したお酒。
創業文化三年、津軽の風土が醸した希少な美酒の数々を。
青森の地酒 菊乃井 稲村屋文四郎 稲村屋
株式会社鳴海醸造店
杜氏兼社長 鳴海信宏
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