青森県酒造技術研修会が2023(令5)年7月12日~14日まで青森県酒造組合技術委員会主催で弘前工業研究所で行われました。参加者は約30名。初日の県産米使用の市販酒勉強会には総勢37名の受講者が叶いました。研修会の内容を写真中心にブログにしました。
青森県酒造技術研修会の会場は弘前工業研究所
青森県酒造技術研修会の会場は弘前工業研究所です。
研修会前日の米洗い
研修会の前日の米洗いの様子です。私技術委員長と弘前工業研究所の小倉先生、長谷川先生で行いました。使用する白米は青天の霹靂(一般うるち米)の平成27年産の使用でした。白米5kgづつを5回にわけて洗いました。半切りで約1分もみ洗いをして、水でかけ流しあと、水の入ったバケツに約1時間浸漬しました。青天の霹靂の白米の水分は15.9%だったので吸水は24%になりました。白米水分が11%だったとすると31.2%の吸水歩合だそうです。
青森県酒造技術研修会初日
青森県酒造技術研修会初日の集合時間は、津軽地区が朝9時でした。私が着いた時にはすでにたくさんの人が来ていました。
青森県酒造技術研修会初日の様子です。これから米の蒸しが始まりますが、昨日の米洗いの話をしました。
浸漬して保存している白米が入ったポリバケツです。密閉して一昼夜置きましたが、水分量の変化はありませんでした。
蒸米機の様子です。
受講生と蒸米機の画像です。受講生は専用の長靴を履いて、帽子をかぶりマスクをしています。礼儀正しい感じです。蒸米機は湯気が出てきています。
蒸米機に白米を張る様子です。左側が弘前工業研究所の小倉先生です。
白米を蒸米機に張ってこれから蒸します状態です。バンドを二重に張っています。紺色のバンドとオレンジ色のバンドです。
白米を蒸米機に張ってこれから蒸します状態の甑のアップ。
甑の圧力計の画像です。
白米の蒸し完了
白米の蒸し完了した様子です。甑の上の布が少しポッコリと膨れています。
蒸した米を冷ましている様子です。今回は受講生が30名弱なのでABCと3班に分かれて作業をしました。麹室に入るのも多すぎるとは入れません。ちなみに私はA班で作業時には手袋をして携帯電話での撮影は衛生上遠慮しました。BC班の作業時に撮影させていただきました。蒸し後の吸水は33.9%でした。白米水分が11%だとすると41.7%の蒸し上がりになります。
思ったよりも温度が高かったので麴室(こうじむろ)での放冷をしている様子です。この後、麹菌を振り掛けて包み(つつみ)が行われます。
蓋麹用の蓋(ふた)です。今回のテーマは蓋麴と箱麴の違いというテーマで二通りの技法で作成しました。
種切りが終わりつつみの様子です。
種切りが終わりつつみ前の様子です。温度が高かったのかもう一回広げて放冷の作業になりました。
麹室での放冷の様子です。
麹室での放冷の様子です。包み上げの白米水分は24.4%で白米水分が11%だったとすると31.6%です。この時の品温は30.6℃でした。夕方の切り返しは行わず明日の朝に切り返しして盛(もり)の作業が行われます。
市販酒勉強会の様子です。
県産米使用の市販酒勉強会です。県外酒14点と県内酒22点で合計36点で審査しました。青森県の酒は上限小売価格2,500円(外税)の純米酒・特別純米酒・純米吟醸・純米大吟醸という縛りを設けました。県外の酒は西田酒造店にお願いして売れ筋商品をピックアップしていただき12点集めてもらいました。今回秋田県の齋弥酒造店の講演があるので別途2点の追加になりました。
瓶にはアルミホイルで目隠しして暗番がふられています。瓶の先にはポアラーが差してあり各々プラカップにお酒を注いできき酒します。鑑評会の審査ではないのでプラカップは基本1ヶでやりました。吐きは、紙コップを使用して溜まったら流しに捨てにいく形です。
違う角度からの撮影です。ところどころにウエットティッシュやペーパータオルが置いております。
違う角度からの撮影です。酒は1テーブルに3から4点の配置でした。
受講生の様子です。
青森県酒造技術研修会、持寄り交流会
青森県酒造技術研修会、持寄り交流会の様子です。会場は弘前市の菊富士本店です。開会の挨拶及び乾杯の挨拶は青森県酒造組合の副会長の西田さんが行いました。市販酒勉強会のなりわいに関して熱く語りこれからも継続していく大事な行事だと言っていました。
青森県酒造技術研修会、持寄り交流会の料理の一部です。刺身です。
青森県酒造技術研修会、持寄り交流会の料理の一部です。すき焼きです。
持寄り交流会の様子です。
持寄り交流会の〆の様子です。締めは弘前工業研究所の小倉先生にお願いしたら快く引き受けてくれました。
青森県酒造技術研修会2日目、切り返しの様子です。
青森県酒造技術研修会2日目、切り返しの様子です。
青森県酒造技術研修会2日目、酒類総合研究所講演
令和5年7月13日(木)10:30~12:00まで、酒類総合研究所広報・産業技術支援部門長の日下一尊様からの講演をいただきました。演題は「清酒製造支援データベース等について」でした。
青森県酒造技術研修会2日目、(株)斎弥酒造店高橋杜氏講演
青森県酒造技術研修会2日目は、秋田県の「雪の茅舎」で有名な(株)斎弥酒造店高橋藤一杜氏から講演を頂きました。
大吟醸の吊るしは時間が早い方が良いとの指導です。吊るしの時には見学客も入れて行うとのことです。
青森県酒造技術研修会2日目、(株)キーエンス講演
令和5年7月13日(木)15:30~16:30まで(株)キーエンスの寺崎さんからマイクロスコープのデモンストレーションが行われました。かなり精度の良い顕微鏡で立体的に観察するとの優れものです。日本酒メーカーでは大手の酒造会社や大手ビールメーカーが所有しているそうです。作業中の麹を少し持ってきて見ましたが、立体的で麴にくい込む菌なども良く見えました。小倉先生は欲しいと興味津々でした。
青森県酒造技術研修会、3日目の出麴
青森県酒造技術研修会、3日目の出麴の様子です。
青森県酒造技術研修会、3日目の出麴の様子です。画面蓋は麹蓋の身の部分ではなくて本当の蓋です。
麹蓋から麴を出している様子です。
麹蓋から麴を出している様子です。今回は4個の麴蓋からの挑戦です。
麹蓋から麴を出している様子です。最後の最後まで麴を出します。
麴蓋を叩いて麴のこびりついたものを取ります。麴はもみほぐして荒い息をぬいてあげます。
仕上がった麹です。薄く伸ばして乾燥させます。
麹の積替えの様子です。弘前工業研究所の小倉先生と長谷川先生が積替えの夜間の作業を行いました。大変お疲れ様でした。
麹の経過表です。小倉先生からいただいたものを掲載しております。仲仕事でかなり温度がきましたので仲仕事と仕舞仕事は時間差ですぐ行いました。今回は実習ということで理論的に学びました。
青森県酒造技術研修会、総括
青森県酒造組合研修会にご参加いただきました受講生の皆様大変ありがとうございました。また弘前工業研究所の場所をお借りして小倉先生には大変お世話になりました。講演では酒類総合研究所広報・産業技術支援部門長の日下一尊様、(株)斎弥酒造店高橋藤一杜氏、(株)キーエンスの寺崎様誠にありがとうございました。麹作りと講演会そして市販酒勉強会と充実した日を過ごしました。青森県の酒造技術の向上にいくらかでも担っていただければ幸いだと思いました。
創業文化三年、津軽の風土が醸した希少な美酒の数々を。
青森の地酒 菊乃井 稲村屋文四郎 稲村屋
株式会社鳴海醸造店
杜氏兼社長 鳴海信宏
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