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斗瓶採りとは? 鳴海醸造店

斗瓶採りは、(とびんとり)と読みます。鳴海醸造店の斗瓶採りについて簡単に説明させていただきます。画像と文章3/1に追記しました。

斗瓶採りとは

熟成した醪(もろみ)を、木綿(もめん)の袋などで自然に垂れてきたものを1斗瓶にとり、澱(オリ)をひいたものをいいます。一般的には澱引きしたものを1.8L瓶などに詰めて火入れ(加熱処理)を行います。鑑評会出品などはこの方法を利用しています。店頭などで斗瓶採りと表示があるものはこの操作をしています。

木綿(もめん)の袋

もめんの袋

鳴海醸造店では、木綿(もめん)の袋は毎年業者から購入しています。入荷してから釜のお湯で一回煮ます。煮た後は匂いのしない医療用の洗剤で洗います。袋吊りするまでほぼ毎日のように袋を処理します。

袋吊りの紹介

写真があればいいのですが、真剣勝負なのでお許しください。作業は6名で行います。元のタンクからもろみをタメにくみ上げる人1名・そのタメを吊るすタンクへ移送する人が2名・木綿の袋を広げる人が1名・広げた袋にもろみを入れる人が1名、もろみを入れた後紐で縛り吊るす人が1名です。袋は60枚使用しています。早めに作業することが必須になってきます。60枚吊るした後、搾ったお酒の濁った部分は大まかに元のタンクに返します。濁った部分が少なくなったら、タメに取って斗瓶に入れていきます。斗瓶はおおよそ5~6本とります。

袋吊りの画像解禁

袋吊りのタンク

袋吊りに使用しているタンクです。

吊るしている状態

上にアトロンカバーがあるので見えづらいですが、実際の様子です。

木綿の袋から垂れている様子です。

木綿の袋から垂れている様子です。もっと鮮明にみたいですよね!!!お見せします。

袋吊り鮮明画像1

こんな感じで木綿の袋の袋を紐で吊っているのです。自然の圧でポタポタと落ちてくるのを待ちます。

袋吊りの様子2

袋からポタポタと落ちてきている様子ですが、分かりづらいですね。斗瓶にお酒を確保した後だから仕方ないでしょうか?鳴海醸造店の企業秘密をお知らせしてしまいました。

斗瓶の画像

斗瓶の画像

斗瓶とは、1斗(いっと)なので1升(いっしょう)の10倍になりますので18Lになります。こちらの斗瓶は昔、醸造用乳酸の入荷に使用されていたものです。

斗瓶にとった日本酒

斗瓶に採った日本酒です。

下に薄っすらと澱(オリ)が溜まっていますかね?それとも光の加減で白っぽく見えているのでしょうか?

斗瓶に採った日本酒を上から見た写真

斗瓶に採った日本酒をを上から撮影したもの。上はアルミホイルです。外気の温度にもよりますが、斗瓶に日本酒を採ってから3~4日目に澱(オリ)引きという作業を行います。澱は品温が低いほど早く沈みます。澱のない澄んだものをシリコンのチューブですくい取ります。鳴海醸造店ではこれを1.8Lの瓶に採って翌日火入れ(加熱処理)をします。加熱処理は日本酒を65℃まで温度をあげます。その後急冷します。

斗瓶採りの急冷の様子

斗瓶採りの急冷の様子1

一つの斗瓶から8~10本の日本酒を摂取します。急激に冷たい水をかけると割れる場合があるので最初に半切りにお湯を入れて徐々に冷やしていきます。

斗瓶採り急冷の様子2

半切りの手前から水が流れていますね。片一方の半切りに水を入れて短いホースで水を輸送してうまくいっている様子です。2回目の火入れ(加熱処理)の時はうまくいきませんでしたので二つの蛇口から各々の半切りに水を入れました。

斗瓶採りのまとめ

斗瓶採りとは、木綿の袋に醪(もろみ)を入れて自然と垂れてくるものを斗瓶に採り、その後、澱(オリ)を引いて火入れ(加熱処理)したものです。

 

 

創業文化三年、津軽の風土が醸した希少な美酒の数々を。

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株式会社鳴海醸造店

杜氏兼社長 鳴海信宏

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