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日本酒造りの限定吸水とは? 鳴海醸造店

日本酒造りの限定吸水とは、どのようなことでしょうか?酒造り初心者のためだけにお知らせしたいと思います。

日本酒造りの限定吸水とは?

字のごとく限定で吸水させることです。ここでは、酒造好適米(酒米)に水分を吸わせることです。酒造好適米は精米といい玄米を精米して玄米の外側から精米していきます。菊乃井醸造元の鳴海醸造店では基本的に50%以下のものを限定吸水しています。一般的に精米歩合が小さいほど水分の吸着は早くなります。米の水分量もそれぞれ異なりますし、その年により高温障害がおこると米が割れやすいということになります。

鳴海醸造店限定吸水のやり方

鳴海醸造店(菊乃井醸造元)では白米を10kgずつ分けて限定吸水を行っています。ホームセンターで10kg入るトレーをたくさん用意します。あらかじめそのトレーに白米を計量して準備しておきます。

こちらの機械を使用しています。

右側に見えるのがバッチ式の洗米機になります。作業は2~3名で行われます。白米の量が多い時や白米の種類が多い時などには余裕をもって4名で行う時もあります。左側に見えるのがステンレス製の半切りです。半切りに5℃の水をあらかじめ採っておきます。半切りは3ヶ使用して行います。水色の穴の空いた籠は、塩水選に使用するものを使っています。

白米を入れるトレー

白米はこんな感じであらかじめ計量しておきます。

このように積み重ねられるものを使用しています。白米は10kg単位で計量されます。
酒造好適米の品種の違い・精米歩合の違い又産地・取引業者によって時間は変えていきますのでトレーは印を付けるなりして分けておきます。

限定吸水における白米の排出の様子

洗い終り、米を排出している様子。

白米をバッチ式の機械に入れてから籠に排出仕切るまでの時間は丁度120秒で行っています。この作業を並行していって作業をしていきます。建物の中ですが平均気温2~3℃時には氷点下の時もあります。尚且つ水作業なので体の芯から冷えてきます。半切りに籠が8ヶまでしか入らないので、半切りから白米をあげる時間をみて作業を操作しています。

限定吸水半切りでの白米の様子

半切りに白米が入った様子

バッチ式の機械で洗米を2分行った後は、半切りで浸漬(白米に水分を吸着させる作業)を行います。こちらも酒造好適米の品種の違い・精米歩合の違い又産地・取引業者によって時間は変えていきます。

限定吸水浸漬のタイミングは?

白米をすくい上げた様子

浸漬のタイミングはどのようにして行われているのでしょうか?写真の様子は、米の胴割れが多いものです。真っ白の状態は米が水分を吸いきっている状態です。すべての米が真っ白だと吸い過ぎになります。米が割れていないものをみて判断します。経験も必要とされていますが、その年の新しい品種や精米歩合の違いによって目で判断して目的の水分量まで吸水させます。米の産地などによっても時間が異なってきます。今現在、昨年と同じような感じで吸水時間が行われています。あくまで当社の場合です。

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