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2024(令6)青森県酒造技術研修会

2024(令6)青森県酒造技術研修会が7月11日(木)~12日(金)弘前工業研究所で開催されました。参加者は講師も含めて40名弱とたくさんの方にご参加いただきました。その内容をブログにしました。

弘前工業研究所

弘前工業研究所の外観です。写真は以前撮影したものです。この日も天気に恵まれ快晴でした。弘前工業研究所の会場をお借りして青森県酒造技術研修会が開催できますこと改めてまして感謝いたします。

青森県酒造技術研修会初日開講式

青森県酒造技術研修会ですが、10:00~10:15受付で10:15から開講式が始まりました。まずは技術委員長の私から挨拶がありました。いつもなら酒造組合副会長の西田さんが行っていますが代理です。たくさんの受講生の中で開催できることを感謝しまして本年度全国新酒鑑評会では金賞4蔵・入賞2蔵だったことを述べ講習会の中で金賞受賞が増えることを願いました。その後弘前工業研究所の所長舘山大様よりご挨拶をいただきました。話の中で一ノ蔵の「すず音」は開発当初社内で「これは日本酒では無い」などの批判を受けましたが今や大ヒット商品になった例を挙げて新たな技術開発に挑んでくださいとの励ましのお言葉をいただきました。弘前工業研究所の小倉先生より注意事項など説明いただきまして開講式は終了しました。

青森県酒造技術研修会初日座学

青森県酒造技術研修会初日の座学です。10:30~12:00

青森県酒造技術研修会初日の座学

青森県酒造技術研修会初日の座学は地方独立行政法人岩手県工業技術センター醸造技術部主査専門研究員の佐藤稔英(なるひで)先生に「roots36」(ルーツさんじゅうろく)の製麹について講演をいただきました。「roots36」の開発にあたりご尽力されたことに関して感銘を受けました。また、「roots36」は非常に優秀な麹菌で全国新酒鑑評会でも金賞受賞できる商品ができることや麴造りにおいて作業の効率化ができるというメリットがあります。その蔵ごとに環境が違いますのでまずは「roots36」は使用して使用量を変えるなどしてくださいとのことでした。「質問はないですか?」と挙手がありませんのでこちらから指名させていただきました。青森県内でも「roots36」を使用して全国新酒鑑評会で金賞受賞が2蔵あり期待する麴菌だと思いました。

青森県酒造技術研修会、市販酒勉強会

午後は市販酒勉強会です。対象日本酒は市販価格が2,000円以下の特定名称酒(純米系)です。今回は低アルコールも販売している蔵は積極的に出していただきました。青森県内は22点。その他に売れ筋の県外酒を西田酒造店の紹介で12点出品していただきました。日本酒はすべて2本づつで1本は弘前工業研究所と西田酒造店に分析もしていただきました。

市販酒勉強会の様子

市販酒勉強会の様子です。

市販酒勉強会の様子です。部屋の外側に日本酒をならべ内側に受講生の席を設けました。

きき酒用の瓶

きき酒用の瓶です。アルミホイルで瓶を覆っています。先にはポイラーがついています。直前まで冷蔵庫に入っていたので冷たいです。吐きは大き目の紙コップでそれぞれにプラカップを1個渡しました。気になる場合は予備のプラカップを使用していただきました。この時のきき酒の人数38名で720mlが1本なので計算すると一人当たり約18mlという結果でした。きき酒をする前にその事情をお話して進めていただきました。

市販勉強会で使用した日本酒

市販勉強会で使用した日本酒1

市販勉強会で使用した日本酒を3つの写真にまとめました。左側から8番目と10番目は鳴海醸造店の日本酒です。5点法で1が大変素晴らしいで5がかなり難ありです。8番目は「稲村屋純米大吟醸」です。点数は2.87点。10番目は「稲村屋純米吟醸華さやか55」です。点数は2.82点でした。平均点くらいという結果でした。2.3~2.5を目指して頑張りたいと思います。

市販勉強会で使用した日本酒2

市販勉強会で使用した日本酒2の画像です。一番左側に「稲村屋純米吟醸華さやか55」があります。パッと見ると「田酒」の文字が目立ちますね。「鳩正宗」も目立ちます。

市販勉強会で使用した日本酒3

市販勉強会で使用した日本酒3の画像です。「八仙」「ん」「山本」「而今」「豊盃」の文字が目立ちます。

青森県酒造技術研修会持ち寄り交流会

持ち寄り交流会は各社自慢の酒を一人720ml持参して菊富士本店で行われました。18:30からの予定でしたが研修が早く終わったので18:00からの開催となりました。佐藤稔英先生は急な変更で勘違いされていたようで遅れての参加になりました。申し訳ございませんでした。乾杯の挨拶は青森県工業研究所の小倉先生より頂戴しました。会は和やかに行われ締めの挨拶は佐藤稔英先生にお願いしていただきました。分析用で使用した県外酒もテーブルに並べられてきき酒の時と実際にに飲むのと比べたりしました。

青森県酒造技術研修会2日目、高橋亮先生

青森県酒造技術研修会2日目

青森県酒造技術研修会2日目は9:00~10:30まで福島県ハイテクプラザ会津若松技術支援センター醸造・食品科の高橋亮先生に講演をいただきました。内容は「R5BY福島県の吟醸づくりについて」です。詳しい内容は、福島流の醪管理の基本で鑑評会用の種麹と酵素剤、アル添量検討、除酸。R5BY全国新酒鑑評会の酒質傾向。酢酸イソアミル系酵母を用いた出品酒製造。おまけとして、ジアセチルの生成抑制した早期上槽、白夜のグルコアミラーゼ力価の調整について、フェルメイドKについてでした。今回全国新酒鑑評会で金賞受賞場数は18場と第2位でしたが吟醸造りの先端を走っている県です。昨年みたいに米の溶けない年の対応の仕方や大変勉強になりました。

青森県酒造技術研修会2日目、セントマテイック(株)小玉さん

青森県酒造技術研修会2日目、小玉さん

青森県酒造技術研修会2日目の2番目は、セントマテイック株式会社の小玉さんです。お題は「香りのDX」です。KAORIUM(カオリユーム)をタブレットで検索してあなた好みの酒を探せるものの話です。

セントマテイック株式会社

KAORIUM(カオリウーム)タブレット

KAORIUM(カオリウーム)タブレット

「AIとお酒選び」「あなたの日本酒診断」などタッチしてあなた好みの日本酒が選べます。

KAORIUM(カオリウーム)タブレット

日本酒の探し方です。タイプからですか?その時の気分からですか?味わいからでしょうか?

KAORIUM(カオリウーム)タブレット

タイプは大きく分けて「すずしげ」「あたたかみ」「ふくよか」です。またそれに関連する表示もAIを通してか明記されています。鳴海醸造店にもタブレットはあります。興味のある方は社長を通してご連絡ください。

六花酒造(株)蔵見学

六花酒造(株)蔵見学

六花酒造(株)は酒蔵移転して新工場になりました。酒造技術研修会の〆は蔵見学は、六花酒造(株)でした。お昼ご飯を食べてから2班に分かれて見学させていただきました。

六花酒造(株)の看板

六花酒造(株)の看板です。

六花酒造(株)の店頭スペース

六花酒造(株)の店頭スペースです。巨大モニターで蔵の中の様子が写しだされます。蔵見学2班目で待機している様子です。こちらの場所で試飲や販売も行っています。

蔵見学の様子

蔵見学の様子です。履物にはカバーをかけて、頭にはキャップをかぶせています。こちらは麹室です。蔵全体コンパクトで作業がしやすい環境でした。この時期蔵全体の室温が約10℃で四季醸造ができる環境に羨ましいと思いました。

2024(令6)青森県酒造技術研修会、総括

まずは会場を提供いただきました弘前工業研究所様大変ありがとうございます。そして準備をしていただきました弘前工業研究所の先生・技術委員の皆様ありがとうございました。また受講生は研修会に参加いただきありがとうございました。一つでも勉強したことを蔵に取り入れてより良い市販酒、全国で金賞を目指して共に頑張っていければと思います。引き続きよろしくお願いいたします。

おまけ画像

おまけ画像

おまけ画像です。2次回の様子です。撮影者は私です。諸先生大変ありがとうございました。

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