地酒とは?について考えてみたいと思います。字の如く、地元のお酒・地元の日本酒ということになります。そう考えると地元の水・地元の米・地元の環境(気温・湿度・気圧)・地元の職人(気質・性格・食生活)地元の消費者(食生活・生活基準)そういったものが重なって地元に愛される地酒が誕生しているのではないかと感じております。弊社が所属している日本地酒協同組合でも「郷酒(さとざけ)」の旗をあげて地方の特色を生かした地方ならではの日本酒、焼酎、リキュールを広く市場に展開しています。日本酒は元々水が良い場所に工場が建てられ製造するのが基本でした。黒石市は南八甲田の伏流水が湧き出る水に恵まれた土地です。八甲田山に冬の間降り積もる雪が奥入瀬の大地と共にたくさんのミネラルを含み数十年自然の濾過のもと湧き出るのが南八甲田の伏流水になります。水質は軟水で柔らかく甘みを感じます。水の綺麗なところには、日本酒の他にも味噌・醤油屋が集まりました。昔の文献をみますと黒石市(当時は黒石町)は明治の中頃には味噌・醤油などの醸造業も含め日本酒の蔵が35件もあったということです。また、弊社鳴海醸造店が面する横町十文字の交差点は、四隅とも造り酒屋だったという文献も残っており、一人の男がきき酒を次から次へせがみ4件廻るだけで十分に酔っぱらうという笑い話もありました。特に弊社は昔地主ということもあり小作人からあがる米に付加価値をつけて販売していたからかなり商売が儲けていたと推測されます。話は地酒に戻りますが、水が良いところには良質の米も必須になってきます。青森県の奨励品種の酒造好適米は「華吹雪」「華想い」「華さやか」とあります。「華吹雪」は平成元年から奨励品種に認定され米粒が大きく心白も大きく米が溶けやすく米の味を出しやすい良質な米です。弊社では精米歩合50%までの商品に使用しています。「心白」とは、精米した米の中心部分に白く濁ったデンプンの部分です。麹を作る時に「心白」があれば麹菌がくいこみやすいのでよしとされています。弊社では、普通上撰の麹米にも「華吹雪」を好んで使用しています。「華想い」は、精米歩合50%以下の大吟醸に向いている米です。「華さやか」は米由来のタンパク質を分解しずらい米ということで多いとお酒の雑味の成分となるアミノ酸生成が極端に少ないのが特徴です。黒石市は津軽平野に面し雪が非常に多い土地です。降雪で多い時には30cm以上と積ります。雪が降り空気が澄み切り自然の寒暖の中で蒸米の冷却や水の冷却が行われています。黒石市は「地酒をたしなむ会」があり毎月第3水曜日に行われています。地酒は黒石に二軒あります。弊社「菊乃井」と「玉垂」交代で行っています。地酒を愛し、地酒をたしなみ、地元を盛り上げて町の活性化に繋がっています。2014年黒石市の定例市議会は「地酒による乾杯を推奨する条例」を可決して11月1日より施行されました。
2014年 青森県内初の地酒で乾杯酒条例制定の黒石の地より
創業文化三年、津軽の風土が醸した希少な美酒の数々を。
青森の地酒 黒石の地酒・青森の日本酒 黒石の日本酒
菊乃井 稲村屋文四郎 稲村屋
株式会社鳴海醸造店