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生酒・生貯蔵酒の違いは? 冷用酒って何?

皆様方が疑問に思っていることを解決します。質問コーナーです。生酒・生貯蔵酒ってなんなのでしょうか?冷用酒ってあまり聞きなれない言葉ですね?それについて簡単に解説します。

生酒とはなんでしょうか?

生酒とは、もろみを搾ったあと一切熱処理していないお酒をいいます。生酒は要冷蔵が必須になります。新酒の時期であれば気温も低く早めに飲めるのでよいのですが遠くへ流通するなどには不向きになります。日本酒を造る時に使用する麹を使うことにより、生酒には麹の酵素が生きています。低温で貯蔵していないと日本酒造りには活躍していた酵素が逆に邪魔になるのです。低温であれば酵素は死なないまでも生きています。酵素が残った生酒は温度が高いほど活躍してきます。丁度よい味の日本酒でも、デンプンを分解してブドウ糖を増やしたり、タンパク質を解してアミノ酸を増やすなど厄介なことになります。
ちなみに鳴海醸造店冷蔵庫はマイナス5℃なので生酒でも10年はもつ実績があります。
積算温度により変化も激しいのでなるべくならお早めにお飲みください。

生貯蔵酒とはなんでしょうか?

生酒を瓶詰め時に一回火入れ(熱処理)した日本酒です。生の風味をいかして瓶詰めする方法です。一般的にフレッシュな味わいです。私の記憶ですと平成の初め頃に300mlの日本酒を冷蔵庫で冷やして飲むスタイルが人気になってきたと思います。生貯蔵酒は、日本酒を冷やして飲む一種のブームの火付け役だったのではないでしょうか?時は、令和2年、今では日本酒は冷やして飲むというのが一般的ですが!もちろん常温・燗酒にもよい部分がありますので誤解の無いようにお願いいたします。

生詰めとはなんでしょうか?

生詰めという言葉があります。昔は日本酒は上槽した(搾った)後、澱をひいて、ろ過をしてタンク火入れ(熱処理1回目)貯蔵したのち、瓶詰め時に火入れ(熱処理2回目)という工程が昭和時代は一般的でした。生詰めとは、秋口にタンク火入れ(熱処理1回目)したものを、瓶詰め時に熱処理しないで瓶詰めしたものです。一般的に秋の商品「ひやおろし」「秋あがり」などの商品を出す時に生詰めで出しているメーカーが多いと思います。

冷用酒瓶詰め

本日午前中に菊乃井本醸造冷用酒の瓶詰めを行いました。

瓶詰め時の写真

こちらは、レイメイという機械で機械を使い人の手で瓶詰めをしています。機械化ではないのです。生酒を一回火入れ(熱処理殺菌)65℃以上の温度で生酒に残っている酵素を失活させて瓶詰めします。300mlという飲み切りサイズなので主に業務用で扱って頂いております。

冷用酒ってなんでしょうか?

冷用酒って何かと言いますと、字の如く冷やし用のお酒です。しかしですよ、弊社の冷用酒は、生貯蔵酒規格なのです。表示に【生貯蔵酒】の表示がある場合。なぜ生貯蔵酒の表示をしていないかは、奥深い理由があるのです。生貯蔵酒は、瓶詰めした月が、製造年月なのです。弊社では多めに瓶詰めした後、マイナス5度の冷蔵庫で低温貯蔵して、そのつど出荷していきます。生酒を貯蔵して瓶詰め時にのれしたもので生酒のフレッシュな風味が保たれている商品になります。特定銘称酒(大吟醸、純米酒、本醸造酒など)を瓶詰めした後に冷蔵庫で貯蔵すると、冷蔵庫から出してラベルを貼るときにその月の製造年月がつけれるのです。品質には全く問題無いと思います。

菊乃井久〇の魅力